明蛇の僧正血統の集まりのとき、ふと気がつくといつも見かけるかいらしい女の子が居た。
「かーごめ かーごめ かーごのなーかのとーりーは」
いつもは宝条さんとこの娘さんと遊んでいるけれども、今日は彼女は居ない。
「いーつーいーつーでーやーう」
なので彼女ははしゃぎまわる弟たちとは少し離れたところで母親と遊んでいた。
「よーあーけーのばーんーに つーるとかーめがすーべった」
柔造がいつもこの女の子を気にかけていることをしっていたから俺は目を隠して歌を歌っている女の子の後ろにこっそり近付いた。
さんの奥さんはくすり、とそんな俺を見て笑う。
「うしろのしょーめんだーぁれ?」
ぱっと、振り返った女の子はお母さんが居ると思い込んでいただろうから後ろの正面にいた俺にびっくりして目を瞬いた。
キョトンとする女の子が可愛らしくて俺は思わず笑ってしまう。
「こんにちは、ちゃん」
俺が声をかけるとちゃんはすぐに母親の影に隠れたけれども、お母さんはちゃんを引っ張り出して「ごあいさつできるでしょ?」と言うとちゃんはもじもじしながら「こんにちは。」と言った。
「なぁ、一緒に遊ばん?俺の弟たちちょっとやかましいけどええやつらやし、みんなずっとちゃんと遊びたい思っててん。」
ちゃんはもじもじとして俯くけれどもお母さんに「よかったじゃない。もあそびたかったものね?」と背中を押されて頷いた。
「ほんまに?嬉しいわぁ。ほんなら早速みんなに紹介せんと」
俺はちゃんの手をそっととった。
「俺は志摩矛造。よろしゅうなちゃん」