RAIN"

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ちょうど甲板でルフィ、ウソップにチョッパーのいつもの三人で晩御飯のため釣りをしていたときだった。 ポツリと雨粒がウソップの鼻の頭に落ちてきたのだ。

「雨か?」

ウソップの言葉に二人が空を見上げると先程までの快晴はどこへやら、 黒い雲が西の空からやってきたと思ったら、勢いよく雨が降りだした。

「うひょー!雨だ!!」

普段なら雨に濡れるのはそこまで気にしないが、今は冬島の春の海域。 肌寒いこの気候で雨に濡れたまま釣りなどする気はおこらない。 あわてて釣竿を抱え船内に飛び込むと、甲板で昼寝をしていただろうゾロも遅れてやってきた。
「それにしても、今日の雨は突然だったな」
チョッパーが窓から外を覗きながら言うと ゾロが濡れた髪をタオルで拭きながら答える。
「いつもならナミが降りだす前にいろいろ言うからだろ。今日はなにやってんだアイツ」
ルフィはチョッパーと一緒に窓の外の雨雲のやってきた西の海を見た。 確かにいつもはナミが雨が降るからテーブルを片付けてだとかみかんの木の回りに囲いをしろだとか言っていたかもしれない。 やっぱりおれの仲間はゆーしゅーだな!と思ったとき、海に小舟が浮いているのをみつけた。

「なんだあの船?」

「て、敵かぁ!?」

ウソップがゴーグルでルフィの指す方角を慌てて確認する。

「か、海軍とか海賊船か!?」

チョッパーが慌ててゾロは不敵に笑うがウソップは首をふった。

「ただの小舟だ。でもグランドラインを航海するには小さすぎるぞアレは!」




一方ナミはアクアリウムでロビンとティータイムをとっていた。 サンジは紅茶のおかわりを入れてくるとキッチンに戻り、ナミとロビンは次の島では一緒にショッピングをしようと予定をたてた。 気候は安定していて、嵐の心配どころか雨も次の島に着くまでは降らないのでログポーズにだけ気を向けていたのだ。 そんなとき、船の整備をしていたフランキーが不機嫌そうにやってきた。

「どうしたのよフランキー?」

「いや、船の外装を強化しようと思ってたんだが、雨が急に降りだしたからできなくなっちまって」

雨さえ降らなきゃスーパーな外装工事ができたのによぉと言ってどかりとソファに身を投げたフランキーにナミは思わず聞いた。

「雨?雨が降っているの?」

「あぁ。いきなりだったから少し濡れちまった。」

「そんな、雨が降るハズがないわ!いくらグランドラインでも、わたし達はとっくに次の島の気候海域に入っているから、さっきまでの天気なら…」

ナミが思わず立ち上がると、アクアリウムのドアが荒々しく開き、サンジが飛び込んできた。

「ナミさん!ロビンちゃん!なんか小舟を発見したってルフィ達が騒いでいるんだけれど…フランキー、お前もいたか!とりあえず敵かなんだかよくわからないらしい。」

小舟であれば海軍の軍艦ではないのは確かだが、海賊の敵は海軍だけではない。 海賊同士だって敵になるときもあれば、賞金稼ぎだっている。そしていくら小舟とはいえども、 グランドラインにはたった一人でも束になっても敵わないくらい強い奴はたくさん居るのだ。 油断は禁物だ。

四人は頷き合うと甲板へと走った。




四人が到着した甲板には、慌てるウソップとチョッパー、海を見て呆れるゾロは居たが、既にルフィは居なかった。

「まさかあのクソゴム…!」

サンジがウソップを見るとウソップは首を何度も縦に振って言った。

「たしかめてくる!って飛んで行っちまった。」

「あーもぅ!!ルフィったら!アンタ達も止めなさいよ!」

ナミが怒るとチョッパーが咄嗟にゾロの後に隠れる。

「おれたちは止めたけど…」

「アイツが止めて聞くと思うかよ」

ゾロの言葉にナミもため息をついた。

「ルフィなら大丈夫よ、きっと。」

ロビンが慰めるように呟いた。





「変な船だなー!!」

仲間のため息は露知らず、ルフィは飛び乗った小舟をキョロキョロと見渡した。

この小舟は帆はあるものの、どこかおかしい。 何が変なのか少し考えて「そうか!甲板が狭いのか!」 とやっと変な理由に気がついた。 この小舟は船内がメインとして造られているようで、甲板だとかそういったスペースはほとんど無く、 だいたいが船室の屋根になっているのだ。

「動かないで!」

ルフィが納得していると突然後ろから声がして、喉元がヒヤリとした。

「なんだ??」

「質問に答えて!何が目的なの!?」

「目的?」

ルフィが首を傾げるとヒヤリとした感覚がピリッとした痛みに変わり首筋から少し血が滲んだ。

「何故この船に乗り込んだかを聞いている!略奪?人拐い?」

「変な船だなと思ったから見に来たんだ。」

「…そう。見物ならもう充分でしょう?早くこの船から降りなさい。」

「なぁ、おめぇ誰だ?」

「人の話を聞いているの!?」

少し冷たいものが緩んだのを感じてルフィが勢いよく振り返るとそこには同い年くらいの少女がダガーを構えていた。



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みたいな出会いからの



「諦めたフリして嘘つくのやめろよ!!おめぇだってやりたいこととか、夢とかあるだろ!!」

「わたしだって…わたしだって!!...

みたいな感じ!

安心の甘さ0です\(^0^)/