バカでかい畑の草むしりの任務で同期メンバーが揃った。
第7班、第8班、第10班。
最近任務であまり会えなかったからかみんな仲良し同士で固まって草むしりをわいわいとこなして、先生達もそれを黙認して三人で談笑しながら見守っていた。
わたしは自然とヒナタと一緒にぶちぶち草をむしって近況報告をしていた。
「いいなぁ…わたしも波の国に行ってみたいなぁ」
「きっと素敵な国になっていると思うよ!…でも少し遠いから、わたしは今度休み被った日にでもヒナタの言ってた湖に行きたいな。」
「うん!…お花もいっぱい咲いてて綺麗で、わたしもちゃんとピクニックしたいなって思ってたの。」
7班では味わえないヒナタとの久しぶりのほのぼのとした空気を楽しんでいると賑やかだったナルト達のグループが更に喧しくなって、固まっている人数もいつのまにか増えていた。
「…相変わらずだなぁ」
ナルトの喧しさも、ナルトを見たヒナタの赤面っぷりも。
そしてついに先生達も「マジメにしなさい!」と一喝していた。
それに二人で苦笑してまた黙々と草むしりをはじめた。
一方、ナルト達は上忍の先生三人に囲まれてお説教をされていた。
「まったくおまえらは…少しはあの三人を見習え」
アスマ先生がそういって指差すのは、1人黙々と草むしりをしているシノと、時おり喋りながらも手は止めないとヒナタ。
気が付けばその三人以外のメンバーは久しぶりのゆっくりとした時間(任務だけれども)が楽しくてはしゃいでいたのだ。
…サスケやシカマルは完全にいのとサクラに巻き込まれていただけだったが。
すると、みんなの視線に気が付いたのか、はたまた集合でもしてるのかと勘違いしたのかヒナタとが首を傾げながら皆の方へとやってきた。
「あの、どうしたんですか?」
「あぁ、ごめんねヒナタ。この子達が遊んでたから少しはあなた達を見習いなさいって言ってたのよ。」
おずおずと聞くヒナタに紅先生が安心させるように笑いかけ、また賑やかな談笑がはじまったのではまた自分だけ草むしりするのもなぁと思って、サスケの所まで行くとくいくいと服の裾を引っ張った。
「ねぇ、」
「なんだよ」
「このあと暇?」
「…まぁ。」
「やった!じゃぁ上流の広場集合ね。今日は何にする?」
「…昼メシ」
「わたし、お好み焼きがいいな」
「フン、せいぜい…」
「ちょ、ちょっとまったー!!」
とサスケの会話に突然サクラがまったをかけた。
ふざけあっていたナルトとキバも少し前から静かに驚いたように達を見ていた。
「ちょっとちょっとー!、何抜け駆けしてるのよー!?」
いのがずい、とに迫る。
「は?」
「それに、今日はってどういうこと!?」
サクラも信じられないといった風に迫りよった。
「え?なにが?」
は全く状況がわからずにいると、キバが楽しそうに言った。
「人前でデートの約束しといてよく言うぜ!」
「はぁ?デート?」
「いいなぁーボクもお好み焼き食べたい」
チョウジはこの際放っておくとして、上忍師含めその場に居た殆どが勘違いをしていたのだ。
サスケがハッとさっきまでの会話を勘違いされていると気が付き「このウスラトンカチ」とを詰ったところでようやくもそれに気付いた。
「あぁ、そういうことか」
「そういうことかじゃないわよー!」
あくまで冷静なにイラついたのかいのはの襟をつかんでぶんぶんと揺する。
「修行だよ!」
流石のもこれには焦って弁明する。
「修行の模擬戦で賭けしてるの。今日はお昼ご飯を負けた方が奢るって意味!」
つまり先程の会話は
「ねぇ、このあと暇?(修行しよ)」
「まぁ(修行なら歓迎だな)」
「やった!(藁蹴るよりやっぱり組手だよね!)じゃぁ上流の広場集合ね。今日は(賭けの対象)何にする?」
「…昼メシ(賭けようぜ。負けた方の奢りな)」
ということだったのだが、サクラといのはヒートアップして聞く耳を持たない。
そんな二人からは一度距離をとって真正面から二人に向き合って諭すように言った。
「…サクラ、いのちゃん。落ち着いて。わたしはいずれ家当主になる人間なんだよ?」
突然の話題転換にポカンとする一同。
「ってことは将来結婚するなら婿入りしてくれる人じゃなきゃダメなの。そしてサスケもうちは一族の当主になるでしょう?だから嫁入りしてくれる人じゃなきゃダメなの。」
は1人満足そうに言いきった。
「…ね?だからわたしとサスケは絶対にそんなことないんだよ。」
静まり返る一同。
なんだか無駄にリアルな説得ですっかりいのもサクラも反論する気は失せていた。
カカシ先生は乾いた声で笑っていた。
いやいや、論点がズレてるでしょ。
サクラやいのが聞きたいのは恋心とかについてなんだろうけど…
…そして、シカマルはちょっとこいつシノに通じるところがあるかもな、なんてこっそり引いていたのだった。