「あれ?どうしたの?三人揃って…」
「!!」
任務のあと、修行を終えて帰路についていたらさっきまで一緒だった三人がやたら疲れた様子で並んで歩いていたから声をかけた。
「そうだ、まだがいたわ!」
なんだかよくわからないけれども三人の話を聞くと、彼らはとにかくカカシ先生のマスクの下が見たくてたまらないらしい。
そして、マスクの下を見るため三人は今日いろいろ頑張ったけれども、全て失敗。
そこでわたしに協力を要請してきたのだ。
「ほら!スパイの練習だと思って上手く先生を欺く修行よ!」
「…上忍を騙すチャンスなんて早々無いぜ?」
「…!チームワークだってばよ!俺の言う作戦通りやったら絶対上手く行くってば!」
「えぇー」
なんだか上手く丸め込まれたわたしは次の日、三人に協力することになったのだった。
任務が終わったあと、作戦開始の合図がサクラより下った。
それと同時にわたしは帰ろうとするカカシ先生に駆け寄った。
「カ、カカシ先生!あの、お話があるんです…!!」
わたしはいつも任務が終わると一番に帰るのでカカシ先生は少し驚いたようだけれど、「ん?なーに?」とこちらに向き合ってくれた。
「あの、その、わたし…言いたいことが…」
あぁぁぁぁぁ、例えウソだとしても、その、こ、告白なんて、緊張する…!!
そう、昨日ナルトに言われた作戦はおいろけの術。
先生に告白してOKもらってそのあとおねだりしてマスクを下ろしてもらうという…無茶苦茶なものだけれども、なんだか三人のおかしなテンションで思わず了承した昨日のわたしを殴りたい。
こんな間にも先生は心配そうにわたしの様子を伺っている。
ど、どうしよう…でも、変化の術とか使ったりでスパイの任務とかだったら演技とかもしなきゃだし、その練習だと思って、がんばれ!わたし!これも修行だ!!
あぁ、でも恥ずかしい…!!
「あの、わたし、その、カカシ先生の、その先生のことが、が、えっと…」
「…なんか、さぁ…サクラちゃん、」
「…うん、なんか…」
「………」
一方作戦の成り行きを見守っていたナルト、サクラ、サスケの三人はなんだか嫌な汗をかいていた。
の告白は、なんだかこう…演技だとはわかっているのだけれども、
真っ赤に染まった頬や、緊張のあまり潤んだように見える大きな瞳、そして震える声…
見ているこちらが恥ずかしくなってきたのだ。
「、演技上手すぎだってばよ…」
ナルトの呟きに二人は激しく同意した。
―実際には演技とは言い難いようなものだが
そしてそれはカカシ先生もバッチリ騙しきれているようで、様子の可笑しいに戸惑っている。
「えっと…、とりあえず大丈夫?」
「はい!それはまったく!…じゃなくてですね、わたし…わたし、カカシ先生のことが…」
カカシ先生は潤んだ瞳で見つめてくるに少し照れたようにしている。
「なんかこれ、イケるんじゃない…?」
サクラは予想以上に作戦がうまくいっていて、思わず呟いたが、そのとき三人の脳内で嫌な光景(妄想)が駆け巡った!
「カカシ先生、わたし、わたし先生のことが大好きなんです…!!」
「…まったく、俺としたことが、まさか生徒に手をだすことになるなんてな…」
「えっ、先生…それって…」
「…カカシって呼んでよ、?」
「せんせ、…はい!…あの、カカシ…」
「「「それはだめ(マズイ/だめだってばよ)ーー!!!」」」
突然の大声に見つめあっていたとカカシ先生は驚いてこちらを見た。
「み、みんな?」
作戦中の出来事に呆然としているに三人は駆け寄った。
「!やっぱりダメよ!こんなの!!」
「もう見てられないってばよ!!」
「おまえ、危なかったぞ!」
三人がかりでずるずるとをカカシ先生から引き剥がした。
「え?え?みんな、作戦は?」
「そ、そんなのもういいから!」
「なんかある意味俺のお色気の術より危なかったってばよ」
「、もっと自分を大切にしろ」
とにかく皆必死すぎて大切なことを忘れていた。
「へぇ〜ふーん?そういうことだったのね〜」
振り返るとそこには満面の笑みのカカシ先生。
ー作戦、失敗