そんなこんなでわたしの下忍ライフははじまったわけだけれども、
任務はわたしの想像とはかけ離れていた。
子守や、芋ほりやら、迷子ペットの捕獲任務とか、忍者がやる必要あるの?みたいなものばかりだ。
そして今日、迷子ペットのトラ捕獲任務を終えた後、火影様から新たな任務を(芋ほり)言い渡されそうになったとき、
うずまき君が腕で大きくばってんを作って訴えた。
「ダメー!そんなのノーサンキュー!俺ってばもっとこう、すんげー任務がやりたいのぉ!ほかのにして!」
…正直今回ばかりはうずまき君に賛成だ。
はじめのうちは、任務だからとまじめにやっていたけれども、最近は任務に行くくらいなら修行したほうが良いんじゃないかとか
考え出して、はたけ先生と同じくらい遅刻する回数が増えてきたのだ。
…悪気はない。
ただ、任務を行く前に修行して気がついたら…というアカデミー時代と同じような過ちをつづけてしまっている。
でもそんなうずまき君の訴えを聞いて、火影様と一緒に受け付け業務をしていたうみの先生がうずまき君を叱るけれども、
うずまき君もなかなか引かない。
でもそんなうずまき君もはたけ先生に拳骨を喰らって静かに火影様の任務のランクについての説明を聞いている…
と思ったら今日のご飯について考えていた。
火影様は怒っていらっしゃったけれども、何故だかうずまき君をみて微笑むと、
「よし、わかった!お前がそこまで言うならCランクの任務をやってもらおう。…ある人物の護衛だ。」と折れたのだ。
「だれ!?だれ!?大名様!?それともお姫様!?」
うずまき君は興奮してはしゃぐけれどもわたしもこっそりワクワクして火影様の次の言葉を待つ。
「そう慌てるな。…入ってきていただけますかな?」
隣の待合室の扉が開いてそこから現れたのは…なんというか、飲んだくれのおっさんだった。
「なんだっぁ!?超ガキばっかしじゃねぇかよぉ!特に一番ちっこい超アホ面、お前本当に大丈夫かぁ?」
そのオッサンの言葉にうずまき君は「だれだぁ?そのちっせぇアホ面って〜」とニヤニヤするけれども、
並んだ四人で一番小さいのが自分だと潔く気づいた。
「ぶっ殺す!」
「これから護衛する人を殺してどうするんだ」
後ろでワイワイとうずまき君とはたけ先生がコントをしてるけれどもいつものことだ。
わたしは目が合った依頼人の人に軽く頭を下げると依頼人さんは自己紹介した。
「ワシは橋造りの超名人、タヅナじゃ。ワシが国に帰って橋を完成させるまでの間、命をかけて超護衛してもらう!」
その後各自準備をして三時間後に里の門の前に集合となった。
里の外に出るのは初めてだからすこし緊張する。
わたしの家は里の外れにあるのでダッシュで帰るとばあちゃんに事情を説明してすぐに準備をはじめた。
もちろん、他国にまでいって恥をかくことのないように、とかいろいろ説教されながら。
そして再びダッシュで門の前まで向かった。
「あっれー!!今日は早いってばよ!」
「確かに、最近任務でも遅刻ばっかりだったし…」
「アハハ…ごめん」
もうそんなに遅刻魔と認識されていたのか。
今後は遅刻しないようにしよう。
はたけ先生もタヅナさんといたからか、きっちり時間通りにやって来て、いよいよ出発だ。
うずまき君も里の外に出るのは初めてらしくてチョロチョロしている。
そんな彼を見てタヅナさんははたけ先生に大丈夫なのか、と不安げにして、それにうずまき君がイラついて…
ほんと喧嘩っ早いなぁ。
とりあえずCランク任務、開始!